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より高倍率で見ると、長年の疑問が解決する瞬間が来る。その”ブレイクスルー “が楽しいんです。 ヤスダ歯科 安田憲弘先生

ヤスダ歯科院長、安田憲弘先生。
当初使っていた2.5倍のサージテルを8倍へステップアップしたことで、「拡大」が診療に不可欠なものに。
高倍率を使うと、治療への確信が深まると同時に「新たな発見がある」と言います。
現在10倍を使用している安田先生に、最高倍率で得られるものについてお話を聞きました。

安田先生は2.5倍から8倍、そして10倍へとサージテルの倍率を上げてきました。これにはどんな理由があったのですか?

『倍率を上げる理由』となると正直わかりませんが、倍率を上げた後、「あぁ、高倍率っていうのはこういうことか」と振り返ることはできますね。自覚できていないだけかもしれませんが、『倍率を上げる』明確なきっかけというのは特にないんです。
10年以上前のことですが、勤務先の先生の影響で2.5倍を使い始めました。正直、裸眼との差はそんなに感じられませんでした。それが8倍を使うようになってからは、支台歯形成時の軸面の性状やマージンラインの連続性などがとてもスムーズに仕上げられるようになっていることに気づきました。歯科雑誌に載っているような著名な先生の症例写真と同じような面を出せるようになり、「上手くなった」と錯覚するほどです。
倍率を上げた後で以前の治療を振り返ると、“こんなことをやっていたのか……”という感じです。もちろん、2.5倍のときだって精一杯やっているんですよ。それでも倍率を上げると日常見ているものに対してまた新たな発見がある。これは楽しいことですね。

8倍がひとつのターニングポイントになったわけですね。

はい。同時に使い始めたライトの存在も大きかったです。専用の光源がすごくありがたくて、ユニットの無影灯はほとんど用済み、あってもなくてもいい。タービンのライトなんてついてなくて全然OK、という感じになりました。マイクロスコープを使っている先生がよく言う「視軸と光軸の一致」。それが、こういうことなんだとわかりました。このときからサージテルが、“ここ一番に使うもの”から“日常の一部”になったと思います。
それからもうひとつ、8倍とライトで変わったことがあります。それは「折れたファイルが取れる」ということ。「見えるから取れる」と自信ができて、エンドの怖さがだいぶやわらぎました。

それでは、10倍でのエピソードを教えてください。

すごくよく根管内の様子が見えます。『何か変な感じだ』というのが見えて、そこを追求していくとフィンやイスムスの汚れだったり、第4根管、第5根管と呼ばれるものがあったり……。10倍を使うと見えるようになる。見えるから追求できるという実感がありますね。
よく気づくのは、例えば象牙質の性状。組織標本で見るほどには見えませんが、変性を呈した象牙質には透明層だったり混濁層だったり固有の構造ができてきて、その全体の流れが見えます。それを見ると、“ここまで触ればよくて、ここはまだだな”と自分の中で線を引けるんです。
もう以前の視野には戻れないですね。一度落として故障したときに、患者さんに「申し訳ありませんが来週にしてください」と言ってキャンセルしたことがあります。治療の内容にもよりますが、もう使わずに責任ある仕事ができるとは思えませんから。

10倍の「使用感」についてはいかがでしょうか?

2.5倍から8倍にしたときは慣れるのに1カ月くらいかかりましたが、8倍から10倍にしたときはさほど時間はかからなかったです。
マイクロスコープと比較すると、サージテルの優位性はやはり「機動力」だと思います。サージテルは患者さんの呼吸による身体の上下動を考えなくてもいい。というのは、人間よくしたもので、患者さんのちょっとした動きに自分の体を微妙に動かすことで追従できるんです。こういったずれの補正をいちいち機械でやるとなると、かなりじれったい。患者さんが咳き込んでしまったり、ちょっとした動きにも対応できる。このフレキシビリティの高さが「機動力」なんだと思います。
歯内療法の専門医の先生が日常作業するレンジは10倍くらいと聞いたことがあります。ですから、日常の診療では10倍程度の倍率があれば十分かな? と。その10倍の視野を使いやすい道具で達成できるというのは、やはりありがたいです。

最後になりますが、今後の目標などがあれば教えてください。

わからないものをなくしていきたいです。わからないものがあるのかどうかというのは、今の自分にはわかりません。月に裏側があることに気づかずに月を見ているようなものですから。
でも、日々の診療の中で“本当にこれでいいのか?”と思い続けていると、“ああ、そうだったのか!”と、どこかでつながるんですよ。
例えばカリエスひとつ取るのでも、“本当にこれでいいのか?”“何かもっと良い方法がないか?”とずっと考えていると、「あ、こうだな」と思える瞬間が来る。ある日突然、解決する。心の隅に引っかかっていたのが、何かがきっかけでブレイクスルーが起きるんです。きっと人が成長するというのは、こういうことなのかもしれません。
最初に「なぜ倍率を上げるのか」という質問がありました。これがその答えかもしれませんね。より高倍率で見ると、考え続けていたことに対して“おお、これだ!”という瞬間が来る。自身のエゴかもしれませんが、それがやっぱり楽しいんです。

ヤスダ歯科 埼玉県さいたま市北区日進町1-409 Web Site
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